ドラゴン・ミジンコ算
私は社員寮の寮長をしている。
寮長と言っても特に権力はなく、住人の要望をまとめて寮の管理部署に報告するだけの小間使いみたいなポジションである。
寮の中で最年長ということで私が1年間勤め上げたが、そろそろ寮の年齢制限が迫ってきているので、退寮しないといけない。
それに伴い、後輩の誰かに寮長を後継するつもりだ。
そういうわけで後輩に「寮長やらない?」と聞いて回っているのだが、全員からビックリするくらい難色を示されている。
確かに無用な仕事が増えるだけだから進んでやりたがる者はいないだろうと踏んでいたが、「絶対に何があってもやりたくないです!」と力強く主張するほど嫌がられるとは思っていなかった。
これだけ嫌がられると自分の寮長っぷりに何か問題があったのではないかという気がしてくる。
寮長就任時に「寮民から徴税する」「毎月ひとり若い娘を生贄に差し出さないと寮民を皆殺しにする」とか言っていたのがよくなかったのだろうか。
とはいえ、私はこの状況をけっこう楽しんでいる。
後輩たちが必死に寮長の座を擦り付けあっているのを見るのは正直かなり面白い。
みんなが私のご機嫌を伺っている。
これが権力者の見る景色か。
病みつきになる。
後輩の狼狽する姿見たさに、今日は寮民チャットに「次の寮長は〇〇くんにしようかなぁ~」と書き込み、波風を立てて遊んでいた。
私はこういう邪悪な遊びを好む傾向があるが、「クリスマスイブに自分は何をしているんだ」という気持ちも少しくらいはあったよ。
「私、能力は平均値でって言ったよね!」というアニメの最終話を観た。
あらすじはこんなかんじである。
- 優秀すぎるが故に友達を作れずに死んでしまった女の子が、異世界転生するとき神様に「能力値を平均値にしてほしい」と願う。
- しかし、世界最強のドラゴンと世界最弱のミジンコの平均の能力にされてしまう。
- その結果、ドラゴン×0.5の能力になってしまい、人間基準では規格外に強くなる。
鋼鉄ジーグのパロディを再三繰り返すというストロングスタイルに惹かれて視聴していた。
面白かった。
だが、ひとつだけツッコミを入れたいのは、平均値の計算の仕方がおかしいということだ。
例えば戦闘能力が1、10、10、100の4人がいた場合、平均値の計算は(1+10+10+100)/4=30.25となる。
しかし、このアニメで行われているドラゴン・ミジンコ算では(1+100)/2=50.5という計算をしてる。
別にこの揚げ足取りで作品を叩こうという意図は全くない。
むしろ、こういうツッコミポイントは作品の欠点ではなく、むしろ愛すべき要素だと思う。
キン肉マンなんかは、この愛すべき要素を意図的に作り出している(と思う)。
今日の晩御飯はスシローに行った。
前までは「回転寿司の味の違いがわかるほど自分の舌は繊細じゃない」と思い近所のくら寿司に行っていたのだが、少し前にスシローに行ったら明らかにくら寿司より美味しかったので、それ以来すっかりスシローにハマってしまったのだ。
ただ、今回初めて食べた「いかみみ」という寿司ネタはあまり美味しくなかった。
美味しくなかったというか、お腐りあそばされている味がした。
「いかみみ」がもともと腐った味がするものなのかもしれないと思い「いかみみ 腐」で検索してみたりもしたが、残念ながらスプラトゥーンのBLイラストしかヒットしない。
どうやらアウトらしい。
うっ死っ死。
早めに引っ越し準備する奴は鶏肉野郎だ!
会社の寮の退寮期限が迫ってきたため、土日で新しいヤサを探し、契約書にハンコを突くところまで済ませた。
今まで「早めに引っ越し準備する奴は鶏肉野郎だ!」というプロパガンダを行うことで会社の同期たちに先を越されないよう牽制をかけていたのだが、自分が一番乗りで引っ越し準備を終えてしまった形になる。
アイアム二枚舌。
新しい家を契約するにあたり、保証人である父の年収を書類に書く必要があった。
別に構わないんだけど、自分の親に年収を聞くのはかなり緊張した。
実の親の年収というデリケートゾーンに踏み込むのは、そこはかとない背徳感がある。
「親もひとりの人間なんだな」という世知辛さを感じてしまうのだ。
この感情は、両親も性交渉をしているという事実に気づいたときのそれとだいたい同じである。
引っ越し先を決めた話を上司にしたら、「不動産屋はいい物件を隠し持ってて、最初はその物件を出さない。揺さぶりをかけると渋々いい物件を出してくる。」ということを教えてもらった。
逆転裁判みたいなシステムだ。
私は大して検討せずに家を決めてしまったが、もっとLボタンを連打したほうがよかったかもしれない。
会社の後輩が軽く説教されている場面に遭遇した。
なんでも、出張で展示会に行ったのに、絶対に調査しておくべき大手企業の展示を見てこなかったのだそうだ。
後輩は「見てこないといけないなら行く前に行ってくださいよ…」と口答えをしていた。
ザ・口答えってかんじで、なんだか聞いてて嬉しくなる。
私はこういう「いかにもな状況」を見るのが大好きだ。
「いかにもな状況」はたいていの場合フィクションではよく見るけど、現実ではそんなにお目にかかることはない。
だからこそ、(実際はそんなことはないのだが)現実で「いかにもな状況」を見ると、フィクションが現実に逆輸入されたような気分になる。
私はフィクションにおけるベタ展開を好む傾向があるため、現実でもベタが存在するのがわかると嬉しくなるのだ。
うどんがあまり好きではないため、普段は丸亀製麺に行っても親子丼ばかり食べてしまうのだが、肉ぶっかけうどんの「肉4倍盛りできます!」というパワフルな謳い文句に惹かれて注文してしまった。
もちろん肉4倍で注文したのだが、値段も普通に4倍取られたのは痛恨だった。
同じ値段で肉が4倍になると勘違いしていたのだ。
普段のハードボイルドな私ならば、そんなうまい話があるわけがないと気づいただろうが、ほのかに香る年末の匂いが私から冷静さを奪ったのかもしれない。
また、肉を4倍にしているのに、いつもの癖で「かしわ天」まで追加してしまった。
新しい家の契約に伴ってビッグなマネーを動かしたせいで、金銭感覚がバカになっていていけない。
追い休暇だ!
- 会社に行って復職の話し合いをしました。わんぱくバンバンな無職生活も終わりの日が近い。
- と思ったら、「再来週まで更に追い休暇しろ」という命令が下りました。
- 昔は「なんで会社は俺をこんなに働かせようとするんだ」と思っていましたが、今は「なんでこんなに休ませようとするんだ」と真逆なことを思っています。
- うちの会社、ワークライフバランスの調整つまみが敏感すぎるのではなかろうか。
- 久しぶりに会社に行ったので、同僚たちと久闊を叙してきました。
- 同僚たちは仕事嫌いで有名だった私が「1か月も休むとヒマで仕方がなくなる。労働は尊い。」とか言ってることに愕然としていました。
- しかし、「お前ほどの男がそう言うならきっとそうなんだろう」と納得もしていました。
- 私は自分で考えているよりも同僚たちに社会不適合者だと認識されていたようです。若干ショック。
- 会社から「規則正しい生活を送りなさい!」と命令されているので、働いてないくせに早寝早起きをするという健康志向の年金受給者みたいな生活をしています。
- 何年か前から尾てい骨がボロボロになっているみたいで、長時間座るとケツの骨が痛くなります。今日も痛い。
- どうも最近常にどこかが痛い気がする…
- まぁ体が痛くなる原因は「やる気が出る薬」の薬効でやる気が過剰分泌され、衝動的にスクワットを100回やって筋肉痛になったりするからなのですが。
- こんなにやる気に溢れている無職はそうそういませんよ。
- dアニメストアでギャラクシーエンジェルの4期が配信開始しました。めでたい。
- 後年になって今の無職生活を思い返すとき、ギャラクシーエンジェルを1日中見ていたことも必ずセットで思い出すことになるでしょう。
- 私の第二の青春…