幸せの火って知ってますか?
こんにちは。
現役女子高生の突撃類人猿と申します。
突然ですが皆さん、幸せの火ってご存知ですか?
幸せの火とは、私の人生には訪れなかったものです。
先日、友人の結婚式に出席するために名古屋駅まで行きました。
14時から式だったので、11時ごろに名古屋駅に到着して、駅を散策してから駅の近くの式場に向かうという算段です。
まず、私は腹ごしらえに行きました。
名古屋と言えば味噌だろ!という短絡的発想で味噌ラーメン+チャーハンのセットを頼んだのですが、礼服を着た状態で食べる味噌ラーメンは服を汚そうとする魔物以外の何物でもなく、完全に失敗だったと思います。
しかも、チャーハンは結婚式で出てきた食事と被っていました。
腹が減って冷静な判断能力を失っていたのだと思いますが、思えばこれがこの一日の結末を暗示していたのかと思います。
次に、私は本屋さんに行きました。
行きの電車で持参していた本を読み終わってしまったので、帰りの電車で読むための本を調達するためです。
しかし、電車で読み終われる程度のちょうどいいボリュームの本はなかなかなく、面白そうなSF小説だなと思って本を手に取ったら新興宗教のPR本だったりと、調達は難航を極めました。
もう暇をつぶせればなんでもいいやという気分で「おもしろ画像200連発!」みたいな本をレジに持っていくレベルで追い詰められたのですが、最終的には「必ず騙されるどんでん返し短編小説集!」みたいな本に落ち着きました。
表紙でどんでん返しを謳われたせいで身構えてしまって、騙される快感が台無しになってしまった感は無きにしもあらずですが、特にどんでん返しのない話が収録されていたときは滅茶苦茶騙されました。
想像以上に本屋さんで時間を消費してしまったので、ほかにもいろいろ見て回りたかったのですが、断念して式場に向かいました。
式場まではタクシーで向かいましたが、タクシーの運転手さんがややコミュニケーションに困るレベルで地元愛に溢れた人でした。
「○○って建物までお願いします」
「うどん屋の近くの!?」
「(土地勘がないからわからん…)」
「あの安いうどん屋でしょ!?」
「(そんなこと知るわけねぇ)この地図に書かれた場所なんですけど…」
「やっぱうどん屋の近くじゃん!美味しいし安いから結婚式のあと行ってみるといいよ!」
結婚式では食事が出てくるので、うどん屋には行きませんでした。
結婚式は素晴らしいものでした。
新郎新婦の趣味がゲームなので、式場BGMがゲームBGMで統一されていたりと、細部まで新郎新婦の拘りが光った楽しい式です。
私もゲームが好きなので、BGMが何のゲームの曲か考えるのに必死で、同席した友人たちとの歓談に集中できなかったのはちょっと申し訳ないです。
式の余興として、新郎新婦のカラオケショーがあったりもしました。
カラオケショーの前に式場スタッフの方がサイリウムを渡してくれて、中座している新郎新婦が登場したらサイリウムを折って光らせるようにという指示を受けます。
数分後に新郎新婦が登場したので意気揚々と発光させました。
しかし、カラオケショーはなかなか始まらず、先走ったことを隠すために膝元のテーブルクロスの下にサイリウムを隠したせいで膝元がめっちゃ発光してる人になってしまいました。
しかも、いざカラオケショーが始まったら先走って発光させたせいで光が弱くなってて、一人だけ光らない棒を振り回すことになりました。
人生初サイリウムが肝心なときに光っていなかったのは、肝心なときに決められない私の人生を暗示しているようで、なんかちょっと怖くなったのを覚えています。
ほかの余興としては、新婦友人のビデオレターが記憶に残っています。
私は新郎の友人なので新婦の友人は知らないのですが、ひとりだけ無表情でフクロウを撫でまわしながら祝詞を読み上げている方がいたのです。
その顔からは「どう?フクロウなでてる私おもしろい?」みたいな邪気は一切感じられず、結局フクロウには一切触れられないままで祝詞は終わりました。
この手の結婚式のシュール映像でここまでプロフェッショナルに徹している方は初めてです。
そして、やっと本題の幸せの火です。
幸せの火はいわゆるキャンドルサービスとして新郎新婦から私たちに配られました。
式場のかた曰く「この火には妖精が宿っていて、この火が燃えている限りみなさんの幸せを守ってくれる」のだそうです。
私はこの手のオカルトはあまり信じないのですが、素晴らしい式だったので、ちょっと信じてやってもいいかなという気分でした。
しかし、なぜか私の幸せの火だけ式の途中で気がついたら消えていました。
私の妖精はどこかに行ってしまったようです。
同じテーブルの人から火を分けてもらおうとしたりもしましたが、蝋が垂れたりして危険だったのでそれもかなわず、結局妖精は戻ってきませんでした。
思えば、その日はわりと不運な出来事が続いていた気がするので、時のオカリナの妖精みたいに、身代わりで私の幸せを守ってくれたのかもしれません。
さらに、式の最後の最後でも幸せの火はやらかしてくれました。
式場の方が「キャンドルに蓋をすることで、妖精を永遠に閉じ込めましょう!」という、妖精にとっては割と残酷な提案をしてきたのです。
幸い、私の妖精はもう脱走したので永遠に閉じ込める可哀そうな目には合わせなくて済みますが…
しかし、実はこの妖精虐待には重要な意味がありました。
なんと、キャンドルの火に炙られることで、蓋にメッセージが浮かび上がってくるのです!
会場で歓声が湧きました。
中には泣いていた人もいたかと思います。
しかし、私の火はとっくに消えていたので、当然メッセージも浮かび上がってこず、最初は何が起こったのかわかりませんでした。
火が消えたら会場がどよどよして人が泣くって、わからない身からしたらマジで妖精のイタズラが起こったのかと見紛う現象です。
会場は新郎新婦からのメッセージで感動に包まれていましたが、私のテーブルだけ何が起こったかわからずキョロキョロしてる私を見て爆笑していたので、場違いなかんじになってしまって申し訳なかったです。
私は妖精の捕獲に失敗したので、今後幸せは訪れないのかもしれません。
しかし、新郎新婦の幸せな姿を見て勇気を貰えたので、妖精の力に頼らずとも、幸せをつかみ取ってみせようと思います。
ですので、みなさんもこのブログのことをお友達に教えてあげて、私を広告収入で幸せに導いてください。
みなさんが私にとっての妖精なのです。
(ちなみに、新郎新婦からのメッセージは家に帰ってライターで炙って見ました)