暴れゴリラ2忍法帖

現役女子高生未亡人が日々を綴ります

非常ドアはオアシス

少し前に、私の会社に「オアシス」というスペースができました。おしゃれな椅子やソファが置かれ、社員のリフレッシュを狙ったようですが、何故か全くと言っていいほど活用されていません。
実際、私もまともに利用したことは一度もありません。昼休憩の時の少し寄るくらいで、業務時間中に行っても数分経てば何だか居心地が悪くなりすぐにデスクに戻ってしまいます。
もうこの世にオアシスは無いのだろうか、と諦めかけていましたが年末年始にとうとう見つけてしまいました
 
話は変わりますが、私の実家の近所には、なぜ潰されないのかが不思議なショッピングモールがあります。
 
というのも、テナントはダイソーのみ、残りの広大なスペースは文字通り空虚が支配しているという何とも言えない有様なのです
老人憩いの場を狙い大量のソファ配置されては撤去され、IRに便乗し大量のスロットを配置しては撤去されといった、涙ぐましい営業努力は見て取れるのですが、、、
私はその店舗を訪れるたびに、実は発生した殺人事件の隠蔽が背景にあり、
店の解体による発見を防ぐためいたずらに延命しているのではと妄想しています。
 
数年前までは、全館でエアコンが効いており、夏場は少ないながら近所のご老人が集まりギルドハウス的な役割をしていました。
ですが、そんなエアコンも全館空調から部分空調を経て、ついに昨年、全館停止の決が下りました。
また、メンテ費用の節約からエレベーター・エスカレーターも人を運ぶ機能を停止しました。
数年前まで営業していた喫茶店で私は初めて「当店冷暖房完備!!」という幟を見ました。
平成も終わろうとしている時代に、この営業文句が許されるのはここくらいだと思います。
夏は外より暑く、冬は外より寒く、移動は階段のみという天然フィットネスクラブからご老人達はやがて姿を消しました。
 
それでもダイソーは営業を続けているのです。
 
レジ周辺には6畳サイズの小型エアコンが設置されているので、店員さんはそこそこ快適なのでしょうが、客は蒸し風呂の中を目的の商品を探し歩き回っています。
一応、非常ドアを開放し窓ガラスにブルーシートを張り付けているのですが、返って不快指数が上昇している気がします。
私も何度か行ったのですが、探し物が見つかったときには汗だくになってしまいます。
他の客も同様のようで、いつの間にか非常ドアの周囲には人だかりができていました。みんな吹き込む風を求めて集まってきたようです。
 
この年末年始に実家へ帰省した際にもダイソーへ行きました。冬なので当然非常ドアは締め切られていましたが、なぜかその周辺は暖かいのです。
よく見ると空調が部分的ですが復活しているではないですか。たまたま空調の風向が非常ドアの方を向いていたのですが、これをただの偶然と片付けてもいいのでしょうか。
 
非常ドアがオアシスとなる場所もあり、快適なソファスペースがオアシスとならない場所もあるのです。
オアシスは「慰安となる場所」という意味ですが、少し違う気がしてきました。
非常ドアでもオアシスになりうるのです。