昼ババアって知ってますか?
こんにちは。
現役女子高生未亡人の突撃2類人猿と申します。
突然ですが皆さん、昼ババアってご存知ですか?
昼ババアとは、私の宿敵です。
大学生時代、学校の近くに「昼ババアの店」と呼ばれる中華料理屋がありました。
味よし、量よし、値段よし、接客わるしという西部劇に出てくるならず者の集まる酒場(ミルクを頼むとバカにされる)みたいな雰囲気のお店です。
実際、唐揚げ定食などの無難なメニューを頼むと、注文取りのババアが「そんなわかってないメニュー頼むとか、さては初顔やな?」「常連なら絶対そんなメニューは頼まへんわ」と機関銃のような攻めでマウントを取ってきます。
また、水のおかわりをお願いすると「勝手に冷蔵庫開けて入れろ!」と怒鳴られたり、ガラガラなのに「すぐに混むから詰めろ!」と言われて相席させられたり、「はぁ~忙しい。忙しさの日中戦争や。」と意味不明な独り言で威嚇してきたりと、ババアはさながらシーマンLv.100のように悪態の雪崩を発生させていました。
レストランに入るとバトルが発生するって、中学生が作ったフリーRPGの奇をてらいたいだけのイベントじゃないんですから、勘弁してほしいところです。
ちなみに、ババアが「昼ババア」と呼ばれていたのは、昼営業のときにしかいなかったからです。
夜営業では日本語が通じない中国人の若者が注文取りをしてくれました。
言葉が通じないため、メニューを指さすという非言語コミュニケーションを通じて注文をします。
彼との言葉を超えたコミュニケーションは、ババアとのレスバトルとは違い、非常に心温まったのを覚えています。
まぁ、彼はたまに注文を間違える人で、ラーメンと間違えてゴマ団子を持ってきたりしたこともありましたが…
男が一人で入店してゴマ団子だけ頼むって、私が日本屈指のゴマ団子マニアでもない限り有り得ないと思いますが、彼は私を流しの食レポ職人か何かだと思ったんでしょうか…?
なんにせよ、ババアのレディ・暴言っぷりに比べたら、彼のミスなんて十分愛嬌の範疇です。
ただ、そんなババアに一つだけ教わったことがあります。
それは「欲張ってはいけない」です。
ババアの店では定食のご飯はお替り自由なので、腹ペコ学生だった私と仲間たちはいつもお替りを頼んでいました。
ただし、この店ではババアの機嫌が悪いとお替りを拒否されることがあるという「シェフの気まぐれランチ」ならぬ「ババアの気まぐれアンチ」システムが採用されていたので、お替りを頼むのも簡単ではありませんでしたが…
ですので、ある日友人がお替りを頼みに行ったときも、残された我々は彼が無事にお替りが貰えるかどうかで賭けをするという、学園ドラマの悪友ポジションみたいな態度で見物を決め込んでいました。
すると、何ということでしょう。
彼はお茶碗にチャーハンを入れて帰ってきたのです。
曰く、「白米を切らしてるから代わりにコレで我慢してくれ」と言われて、チャーハンをつがれたとのこと。
白米は無いのにチャーハンはあるというなぞなぞ問題みたいな不可解な状況に私は戸惑いましたが、同時にコレはチャンスだとも思いました。
なぜなら、普段のババアなら白米を切らしてようが何だろうが絶対にチャーハンを恵んでくれるなんてありえませんから。
今日のババアは死ぬほど機嫌がいいということです!
年末ジャンボにでも当選していたのでしょう。
この機を逃すわけにはいかないと、私はすかさずお替りに向かいました。
普段は仮面ライダークウガに出てくる一般人並みに酷い扱いを受けているのですから、たまにはいい目を見てもいいはずです。
しかし、ババアはそんな私の魂胆を見透かすようにこう言いました。
「最初からチャーハン貰いに来るような欲張りに出すお替りはないよ」
やられました。
今回ばかりはババアに理があります。
ババアに欲張りを断罪されるという童話の一幕みたいな状況に、私は素直に反省するしかありませんでした。
完敗です。
欲張りはいけませんね。
なので、今回は皆さんもお友達にこのブログを教えてあげて、私の広告収入に貢献してくれなくてもかまいません。