私の代わりの小太郎
お盆で実家に帰省しているのですが、「小太郎」という犬のぬいぐるみに母の愛を奪われていました。
小太郎
もともと母は私のことを溺愛気味で、私とはホリィさんと承太郎みたいな親子関係を築いていました。
なので、たまに帰省するとすごく喜んでくれて、豪華な料理で私をもてなしてくれたものです。
ただ、小太郎を購入してから、母は変わってしまいました。
母は小太郎を「もう一人の息子」と呼び、常に頭を撫でて話しかけています。
その姿はゴシックホラー味を帯びていました。
ぬいぐるみを愛でる初老って純粋に怖いです。
さらに、小太郎を優先して、若干私をないがしろにしている感もあります。
前まではトンカツとかの御馳走が食卓に並んだのですが、最近はなんか雑に肉と野菜を炒めた料理ばっかり出てきます。
小太郎憎むべし。
また、小太郎は私を呪っている節があります。
実家に帰省するたびに、なぜか体がバキバキに痛くなって、発熱するのです。
母の愛を一身に集めていた小太郎が、私の登場で愛が分散するのを恐れ、私を呪っているのだと思われます。
なんか麻呂眉で呪いとか得意そうですし。
ただ、呪いは全くの逆効果に終わったと言うほかありません。
熱を出した息子の看病のため、母の私へのチヤホヤ具合はマックスに達しました。
その献身はホリィさんと承太郎どころか、スピードワゴンとジョナサンの関係に匹敵します。
母の看病の甲斐もあり私は回復しました。
小太郎破れたり。
小太郎というライバルの出現で、母の愛の尊さを再確認することができました。
このままではうちの母親が「ぬいぐるみに話しかける老人」という藤田和日郎の漫画に出てきそうなヤバイババアになってしまうので、母が小太郎離れできるように、私からも母親孝行を積極的にしたほうがよさそうです。