力なく「にぃ…にぃ…にょわ…」と鳴くだけ
12月31日~1月4日まで実家に帰省していた。
4日ぶんの日記をいっぺんに書くため、今回は大長編日記になる。
この日記をアニメ化するならば、今回の記事は劇場版にうってつけのボリュームとなるだろう。
【12月31日】
電車で実家に帰ることにする。
自動車という選択肢もあるが、我が実家はシティーのセントラルにあるため駐車場がなく、駐車場代がかさんでしまう。
むかしは電車が嫌いだったが、シュマホを購入して電車でもインターネッツ!ができるようになったため、そこまでの忌避感はなくなっている。
実家にはもう少し早くから帰る予定だった。
しかし、母がインフルエンザにかかってしまったため、インフルエンザの潜伏期間(熱が引いてから2日)が過ぎるまでは帰省は控えようという話になったのだ。
予定が狂ったため29日・30日あたりは本当にすることがなく、押し入れからPS3を引っ張り出して昔のガンダムの対戦ゲーム(機動戦士ガンダム Extreme VS Full Boost)を遊んだりしていた。
私はこのゲームが大好きなのだが、へっぽこであるためサッパリ勝てない。
私のプレイが久しぶりであるということと、5年以上前のゲームを未だにプレイしている層は強者ばかりだということが重なって、ますます勝てない。
年末だというのに非常にフラストレーションが溜まってしまった。
このゲームをしても基本的にはフラストレーションが溜まるだけだ。
でもプレイしてしまうのはなぜなのだろう。
毒電波でも出しているのか?
次にプレイするときは頭にアルミホイルでも巻いたほうがいいかもしれない。
実家に帰っても、特にやることはない。
ボンヤリとテレビを見ながら年越しそばを食べだけだ。
退屈ではあるが、私は年末のこの空気がかなり好きである。
大晦日は全国民が「マヌケ面でボケーっとする」という一体感に包まれる。
普段の私は世間のみなさまと比較して特別にボーっとしているほうであるが、年末に関してはボーっとしているのは私だけではない。
1年で最も社会に参画している時期ではなかろうか。
そうしてボーっとしていたら、常備薬を家に置き忘れていたことに気づいた。
普段から呆けている私であるが、年末ブーストがかかっていて普段以上にボーっとしていたようだ。
薬を抜くと著しく体調が悪くなるため、仕方なく自分の家にトンボ帰りし、薬を回収してもう一度実家に戻る。
大晦日に自分の家⇔実家を1往復半もすることになるとは。
だが、不思議と悪い気分ではない。
ガンダムのゲームをしているときのほうがよっぽど不機嫌だ。
【1月1日】
家族ですき焼きを食べた。
我が家では正月=すき焼きだ。
正月もクリスマスも家族の誕生日もすき焼きを食べる。
すき焼き以上の贅沢を私たちは知らない。
しかし、最近はすき焼きに牛肉ではなく鶏肉が入るようになった。
私が家を出て一人暮らしを始めてからのことだ。
私がいない間に改宗でもしたのだろうか。
父・叔父とともに、老人ホームにいる祖母の様子を見に行った。
祖母は私のことなど忘れて久しいが、それでも私にはニコニコと愛想よくしてくれた。
忘れられるのは悲しいことだが、祖母の機嫌がよさそうだったので何よりだ。
対象的に、ホームにいる別の老人(知らない人)は私たちを見るなり「よそもの!出ていけ!空気が汚れる!」と痛烈に罵倒してきた。
罵倒のタッチアンドゴーだ。
ホームにいる老人の言うことなのでいちいち傷ついたり腹を立てたりはしないのだが、ああやっていつも怒っている老後は大変そうだと思う。
願わくば、自分が老いたときは祖母のようにニコニコしていたい。
しかし、私は割と気性が荒い部分があるため、きっとあの開幕即憤怒老人のようになってしまうのだろう。
老後にニコニコしていられる人間は、年末にガンダムのゲームをして不機嫌になったりしないはずだ。
【1月2日】
特に何もせず、すき焼きの残りを食べたりして過ごした。
余談だが、私は実家にいるとき覇気のない諸星きらりのようになる。
長文では喋らず、力なく「にぃ…にぃ…にょわ…」と鳴くだけでコミュニケーションを取る。
家族にはそれで通じる。
ただし、弟とアニメや漫画の話をするときだけ饒舌になる。
オタクだからだ。
【1月3日】
やはり何もしなかった。
昔は4日も実家にいると退屈で仕方がなく、帰りたくなっていたものだが、今回は別に帰りたくなっていない。
おそらく、シュマホでインターネッツ!をしていたからだと思われる。
私はインターネッツ!ができれば諸々どうでもよくなる性質を備えているのだ。
2020年は今までやったことないことでもしようかなと思い、インターネッツ!で尻毛の処理の仕方を調べたりしていた。
【1月4日】
母方の祖母と一緒に回転ずしを食べた。
祖母と回転ずしに行くのはもう5~6回目なのだが、毎回祖母は回転ずしのシステムに驚いている。
最初は記憶力がなくなってきているのかと心配したが、最近はパフォーマンスとして言っているのではないかという気がしてきた。
「老人がこういう近代的なシステムで驚くの、お前ら好きだろ?」という気持ちで毎回サービスしてくれているのかもしれない。
そうだとすれば、普通に心配されてしまっているため、毎年スベっていることになる。
祖母の記憶力が低下しているのがマシか、毎年スベっているのがマシか、意見が分かれるところである。
前から気になっていた「ハコヅメ」という漫画を大人買いした。
お年玉のイメージがあって正月はなんとなく贅沢していい気分になる(もう大人だからお年玉なんてもらっていないが)。
漫画だけでなく、尻毛用のカッターもネット通販で注文した。
明日になれば届くはずのため、明日の日記は尻毛が無い状態で書いていることであろう。
尻毛が無い私はいったい何を思い、何を綴るのであろうか。
尻毛がある私には想像もつかない。