暴れゴリラ2忍法帖

現役女子高生未亡人が日々を綴ります

「がんばれいわ!!ロボコン」が令和を名乗っているのが国家反逆罪とか天皇侮辱罪とかにあたらないかが心配

みなさん、今週のジャンプは読みましたか?

チェンソーマン、本当に痺れましたね。

あまりに心が揺さぶられたので、私はチェンソーマンより後ろに掲載されている作品をしばらく読むことができませんでした。

チェンソーマンは傑作です。

 

しかし、今日のブログはチェンソーマンではなく、昨日観た「人体のサバイバル!/がんばれいわ!!ロボコン」という映画の話をします。

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このブログのテーマは「珍重」。

真っ当に面白いものよりも真っ当でないけど面白いものを優先しないといけないのです。

 

「人体のサバイバル!/がんばれいわ!!ロボコン」は7/31日に公開された新作映画でして、

・人体のサバイバル!

・がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻

・スプリンパン まえへすすもう!

の3作品が同時上映されます。

3作品同時上映ですが、映画タイトルではサバイバルとロボコンしか触れられておらず、スプリンパンがいません

紹介サイトによっては「この夏、人体のサバイバルとロボコン2作同時上映!」とか書かれてたりするので、スプリンパンは入念にハブられていると言えるでしょう。

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東映はスプリンパンに対して何か思うところあるのかもしれません

 

同時上映作品なので、サバイバル目当てで観に行くパターンとロボコン目当てで観に行くパターンの2つがあるかと思うのですが、私はロボコンが目当てでした。

(スプリンパンは今回の映画で初めて一般公開されるっぽいので、スプリンパンが目当ての層はほぼいないと思われます)

 

ロボコンはもともと1974年の「がんばれ!!ロボコン」という特撮作品で生まれたキャラクターです。

そして、1999年に第二作「燃えろ!!ロボコン」が放送され、今回の「がんばれいわ!!ロボコン」は第三作にあたります。

およそ20年ごとに新作が作られるというのは、愛されているのか愛されていないのか微妙なかんじですね。

私は「燃えろ!!」を子供時代に見ていた世代なので、「ロボコン平成ライダーメタルヒーローの間に挟まってたやつ」という認識でして、私の脳内ではロボコン明日のナージャと同じフォルダに格納されています

(日曜7:30分の放送枠で、1989~1998年はメタルヒーローと言われる特撮シリーズが、1999年にはロボコンが、2000~2017年は平成仮面ライダーが放送されました)

 

今回の「がんばれいわ!!」を観に行ったのはロボコンというキャラクターに思い入れがあったからではなく、脚本の浦沢義雄さんのファンだからです。

浦沢さんは特撮やアニメの脚本を書かれておられる方なのですが、かなり癖のあるギャグ展開を書かれるので、浦沢さんが担当した回はだいたい異色回として語り継がれます

浦沢さんの担当回は、慣れた視聴者ならばスタッフクレジットを見なくても「あ…今日は浦沢回だな…」とわかるレベルで個性的です。

たとえば、歴代のスーパー戦隊が集結するのがウリの「海賊戦隊ゴーカイジャー」では、「敵組織をクビになった怪人がタコ焼き屋に拾われ、最終的には怪人がタコ焼き屋の女将さんを寝取って駆け落ちする」という話を書かれていました。

しかも、作品のウリである歴代要素はほぼ無しです。

浦沢さん自身が戦隊シリーズにおけるレジェンドということかもしれません。

 

また、「がんばれいわ!!」でプロデューサーを務める白倉伸一郎という男もかなりの曲者でして、2018年~2019年放送の「仮面ライダージオウ」で元号を私物化した前科があります。

ジオウは平成ライダー20周年記念作品であり、平成ライダーの最終作でもあります(放送期間中に平成が終わり令和になったため)。

そのため、ジオウでは「平成」という言葉をかなりクローズアップしていまして、2019年に公開された劇場版では「ついに平成が終わる」という宣伝文句を打ったりしていました。

劇場版が公開されたのは2019年7月なので世間的には3ヶ月前に平成は終わって令和になっていたのですが…

さらに、この劇場版では平成を醜い時代としてこの世から消し去ろうとする敵キャラが出てきたり、敵のバリアをライダーキックで破壊した跡が平成の形になっていたりと、とにかく平成を擦りまくっていました。

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これらが白倉氏が「平成を私物化した男」と呼ばれる所以です。

「がんばれいわ!!ロボコン」というタイトルから平成に続き令和も私物化しようと企んでいるのがバレバレですね。

 

そういうわけで、「がんばれいわ!!ロボコン」は変な方向の期待値マックスで観に行ったのですが、その期待は全く裏切られませんでした。

ネタバレにならないように公式PVで紹介された範囲であらすじを書きますと、「汁なしタンタンメンが美少女に恋をして、美少女に地球をプレゼントするために自分が作られた中華料理屋を汁なしタンタンメン専門店に改造しようとする」というかんじです。

思わずあらすじを全部太字にしちゃいましたね(読みにくくてすいません)。

「中華料理が特に脈絡なく人語を話し始める(しかも誰もそのことに疑問を持たない)」という不条理が軽いジャブにしかならない浦沢ワールド全開っぷりは、まさしく私がこの映画に期待していたものです。

これを単発の劇場映画でやるのはクソ度胸としか言いようがありません。

ただでさえ浦沢展開は面白いのに、サバイバルが目当てで来たキッズやロボコンの新作を心待ちにして来たアダルトを浦沢展開で不意打ちで殴りつけたという文脈が乗ることで面白さ倍増ってかんじです。

この映画が令和を名乗っているのが、国家反逆罪とか天皇侮辱罪とかにあたらないかが心配になります

東映の令和観、絶対におかしいですよ。

 

また、文脈が乗ることで面白さが倍増すると書きましたが、その意味ではスプリンパンもサバイバルもロボコンの面白さの補強に一役買っていました。

ちなみに、上映順はロボコン→スプリンパン→サバイバルです。

 

スプリンパンは10分くらいのミュージカルアニメでして、主人公のスプリンパンが希望の歌を歌いながら踊るという内容でした。

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映像は間違いなく美麗ですし歌もいいのですが、自己紹介も早々に踊り始めるスプリンパンはロボコンを見た直後で脳が破壊された状態では踊り狂っているようにしか見えず、正直ちょっぴり怖かったです。

スプリンパンは派手派手な見た目なのにお母さんはリアルな日本人中年女性ってかんじの見た目なのも、念話でスプリンパンにアドバイスを送るのも唐突でシュールでした。

単純な意味不明さで言えばロボコンより上です。

ですので、ロボコンの直後に芸術性全開のスプリンパンを見ることで「あれ?ロボコンって実は真っ当なエンタメ作品だったのでは?」と錯覚させる効果があります。

 

余談ですが、スプリンパンの製作者さんはnoteを公開しており、とても真摯にスプリンパンを制作されておられるのが伝わってきます。

https://note.com/jeti/n/n38194d0eae16

このnoteを読むとスプリンパンが伝えたかったことをなんとなく理解できまして、スプリンパンが変な作品だというのはちょっと穿った見方すぎたかなぁと反省いたしました。

ロボコンの直後という上映タイミングがなにもかも悪い

 

そして、スプリンパンの次はサバイバルが始まるわけですが、こちらは王道なキッズアニメという印象です。

私は映画を観るまで知りませんでしたが、サバイバルシリーズという教育漫画シリーズがあって、今回の「人体のサバイバル」はその中のワンエピソードにあたるようです。

冒険野郎のジオ、野生児兼ヒロインのピピ(寄生虫持ち)、インテリイケメンのケイがシリーズ通してのキャラクターで、「人体のサバイバル」のゲストキャラクターであるノウ博士を加わえて4人がメインキャラクターという形でした。

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ネタバレにならない程度にあらすじを紹介しますと、物語はケイとノウ博士がヒポクラテス号という乗り込んだパイロットごとミクロ化して人体の内部に侵入できる治療マシンを開発するところから始まります。

いきなりヒポクラテス号が凄すぎますね

ノウ博士は医学ではなく工学が専門なのでは?

 

物語はそのあと、ジオとピピにヒポクラテス号を紹介していたらアクシンデントが発生し、ジオとノウ博士がヒポクラテス号に乗ってピピの体内に取り残されてしまう、というふうに続いていきます。

私はてっきりイケメンのケイがジオと冒険することになって、ノウ博士は外から通信でアドバイスをしたりする係になると思っていたのですが、ノウ博士のほうと冒険しはじめてちょっとビックリしました。

ケイがcv.石田彰で妙に存在感あったのがミスディレクションとして効いていますね。

 

そのあとは、ノウ博士が人体の解説をするという教育要素とピピの体内から生還できるのかというドラマ要素が高レベルで融合した展開が続きます(ネタバレになるので詳しくは語りませんが)。

教育要素もドラマも面白く、子供向けでありながらも全く退屈しませんでした。

子供騙しではなく、正しく子供向けの骨太アニメーションだったと思います。

サバイバルが王道に面白いのはこの3作同時上映の中でかなり重要なことでして、サバイバルが面白いおかげで「あっ!やっぱりロボコンって変だったぞ!」と正気に戻ることができました

 

そういうわけで、ロボコン→スプリンパン→サバイバルと通して観ることで、ロボコンの評価が自分の中で乱高下するという副次的楽しさもプラスされるというわけです。

同時上映のおかげでロボコンの魅力を3度に渡り噛みしめることができるわけですね。

ロボコンは本当に恵まれた映画化をしたと思います。

私はこの3作同時上映、大満足でした。

スプリンパンのことも気になり始めましたし、サバイバルの漫画版を読んでみようとも思っています。

ただ、サバイバル目当てでロボコンを見せられたキッズが何を思うのかだけは少し心配かもしれません。