ノコノコ差別をやめろ
最近ノコノコに対して「なんなんだコイツ」という感情が芽生え始めている。
名前の意味がわからないからだ。
パタパタは「パタパタはばたくからパタパタ」なんだろうが、ノコノコって何だ?
少し調べてみると、「ノコノコ歩いているからノコノコ」らしい。
「ノコノコ歩いている」って表現、初めて聞いた。
この「ノコノコ歩いている」っていうのは、女騎士をおびき寄せた野盗が「騙されてるとも知らずに騎士様が『のこのこ』いらっしゃったぜ…!」っていうのと同じ文脈なのだろうか。
そうだとすると「ノコノコ」という名前は、マリオサイドの「弱いうえに甲羅を恵んでくれるクソザコ亀太郎が『のこのこ』歩いてきやがったぜ…!」という感情からとられたネーミングということになる。
なんてこった。
思いっきり被差別階級への名づけ方じゃないか。
マリオたちは一緒にカートで遊んでいるときも、内心は「ノコノコのくせに人間様と同じコース走ってんじゃねぇぞ」とか思って見下していたのか。
まぁマリオは本来敵対勢力だし、自分の土地に自分を模した巨大ホラー人形を立てるイカレ中年だから、ノコノコのことを内心でどう思っていてもおかしくないが。
中に入ると敵やノコギリが襲いかかってくる。何を考えてこんなもの建てたんだ。
しかし、雇用主であるクッパまで「ノコノコ」呼びなのはいかがなものか。
なんとなくクッパは情に篤いイメージがあったが、所詮は冷血な爬虫類に過ぎないようだ。
クッパ軍団の早急なモラル改革が必要だ。
このままではノコノコがヘルメットやゲバ棒で武装して蜂起し、クッパ城を占拠しかねない。
と、ここまで書いて思ったのだが、武装したノコノコってハンマーブロスなのでは?
ハンマーブロスは活動家のノコノコだったのか。
ファイアブロスという火炎瓶を投げつけてくるタイプの亜種もいるから間違いない。
ハンマーブロスは強力な敵キャラだが、胸に灯った革命の火が強さの秘密だったとは。
ノコノコの自由のために戦う革命戦士・ハンマーブロス。
マリオ3で特定のステージに居つかずずっとワールドマップをウロウロしていたが、それは思想犯としてクッパ軍団からも追われていたからなのだろう。
強くて憎たらしい奴だと思っていたが、想像以上にアブナい奴じゃないか。
きっと休日は拡声器のついた車に乗って演説とかしてるに違いない。
たぶんキノコ王国の観光ガイドには「ハンマーブロスを見かけても近づかない」、「ハンマーブロスの前で決してノコノコという言葉を発さない」と書かれているはずだ。
キノコ王国に行くときは気を付けようと思う。
メタル
昨日の夜、私はよく眠れなかった。
1時間に1度くらいの頻度で、押し入れにしまっていたメタルメモリが「メタル(cv.立木文彦)」と鳴っていたからだ。
使うと仮面ライダーが金属質になる変身アイテム
DXガイアメモリは近所迷惑なくらい大迫力のサウンドで鳴る(サジェストで「ガイアメモリ うるさい」と出てくる)。
初めてサウンドを鳴らしたとき、「仮面ライダーの鼓膜はイカれちまってんのか?」と思ったのを覚えている。
押し入れの中にしまったとしても、寝ている私をたたき起こすには十分な爆音だ。
今思えば最初に鳴った時点で押し入れを確かめて鳴った原因を探ればよかったのだが、横着してそのまま寝てしまったので、何度も寝たり起きたりを繰り返す羽目になった。
朝になって改めて押し入れを調べると、メタルメモリの上にダブルドライバー(変身ベルト)が重なっていた。
何かの拍子でベルトがメモリのスイッチを押して「メタル(cv.立木文彦)」という音を出していたのだろう。
ただ、その何かの拍子って何だったのだろうか?
一度だけならわからなくもない。
ベルトが滑り落ちてメモリの上に落ちてきたとか、いくらでも想像はできる。
しかし、このパターンだと「メタル(cv.立木文彦)」は一度しか鳴らないはずだ。
二回目以降の「メタル(cv.立木文彦)」はどうして鳴ったのか?
私の押し入れに何か住み着いているのだろうか。
私は「家が汚くても自分が気にしなければ何の問題もない」という言い訳めいた哲学のもと掃除をサボリ倒しているため、何かしらの小さいお友達(婉曲表現)が侵入したとしてもおかしくない。
彼らが私の寝静まった後に押し入れで大暴れしていたのか?
生意気な。
私は自分より小さい生き物に対しては強気な姿勢で接することにしているので、見つけ次第殺そう。
しかし、小さなお友達ではなくゴーストめいた何かの仕業だったら私が太刀打ちできる話ではなくなってしまう。
幸い、寺生まれの友人がいるので彼にお出ましいただけばなんとかなるかもしれないが、彼は不倫しているという噂があるためその霊験については一抹の不安が残る。
やはり自己防衛が肝要か。
メタルメモリに塩を塗り込んでおこう。
もっとハッピーな方向に想像するなら、立木文彦氏の生霊が寝ている私に危機を知らせるために「メタル(cv.立木文彦)」と警告音を発していたという線もある。
立木文彦氏に助けてもらえる理由に心当たりが一切ないし、立木文彦氏に幽体離脱能力があるという話も寡聞にして聞いたことがないが、そういうこともあるのだろう。
人を助けるのに理由なんていらないし、人を助けるためなら霊魂だって飛ばす。
立木文彦氏はきっとそういう立派な人間なのだ。
私は健康になると不幸せになるのかもしれない
最近、会社の自販機で「ビタミンレモン」という飲料を好んで飲んでいる。
酸っぱさの中にほのかな甘味があって美味しい。
昔はこの手の健康飲料があまり好きではなかった。
自然の摂理に背いている気がするし、何よりあまり美味しくないイメージがあったからだ。
しかし、飲んでみると存外イケる。
飲料メーカーの努力により健康飲料=不味いという常識は覆りつつあるのだろうか。
ただ、健康飲料が美味しくなったわけではなく私の味覚が変化している、という可能性も考慮しないといけないだろう。
妊婦が酸っぱいものを求めるのと同じ理屈で、私の体にビタミンが不足しているからビタミンレモンを美味と感じるようになっているだけかもしれない。
この理屈で言えば、生活習慣が違う人は栄養状態が違うから、味覚も違うということになる。
日本人好みの味とアメリカ人好みの味は違うという話を聞いたことがあるが、それは欠乏している栄養素が違うことに起因しているのだろうか。
(もちろん単純に慣れ親しんだ故郷の味が好みになるという理由が最も大きいのだろうが)
それならば、美食家と言われる人たちは健康なのか、不健康なのか。
ミシュランガイドが世界的な美食の基準として扱われることがあるが、アレを書いた人たちの栄養状態は如何ほどのものだったのか。
なんとなくだが、グルメな人たちはお金持ちで健康状態も良好なイメージがある(偏見だが)。
一方、いわゆるバカしたな人達は貧乏で不健康なイメージがある(もちろん偏見だが)。
私はコロッケをソースでビシャビシャにして食べるのが好きなバカ舌人間だ。
私のバカ舌は貧乏のせいではないかと思っていたが、健康体にさえなればグルメの仲間入りができるのかもしれない。
しかし、貧乏なままグルメになっても、安くて不味いものしか食べられないから、やっぱり不健康を維持したほうが総合的には幸せなのかも。
誠に深遠な問題でこの場では答えが出せないため、ひとまずはビタミンレモンを飲み続けて味覚の経過観察を行うこととする。