暴れゴリラ2忍法帖

現役女子高生未亡人が日々を綴ります

嘘の由来ゲーム

最近、同僚たちとともに「嘘の由来ゲーム」という遊びに熱中している。

「様々な名前の由来を即興ででっちあげる」というだけの単純な遊びである。

そんなものの何が面白いのかと問われると説明が難しいのだが、即興で由来を考える脳トレ的な部分と、嘘の由来を大真面目に語って聞かせる姿の滑稽さがキモであるような気がする。

 

たとえば、このような具合で誰かが話しかけてきたら、それがゲーム開始の合図だ。

「そういえば〇〇くん、『でんでん虫』って何で『でんでん虫』って呼ばれてるか知ってるらしいね。」

 

この問いかけを受けた〇〇くんは、なんでもいいから『でんでん虫』の由来を語らなければならない。

「あぁ、知ってるよ。雷様が持ってる『でんでん太鼓』が由来らしい。でんでん虫が雨の日にしか現れないことから、昔は雷様の遣いだと信じられていたらしい。だから『でんでん虫』という名前で呼ばれるんだ。」

みたいなかんじである。

さも真実を語っているかのように真面目な顔をして説明するのが、このゲームのだいご味だ。

(ちなみに、でんでん虫の本当の由来は、目が出ているからだそうだ)

 

明確にルールがあるわけではないが、返答までのシンキングタイムは5秒程度が限度とされている。

5秒を超えると「早く言え」「本当は知らないんじゃないのか?」「この嘘つき野郎め」と謗りを受けることになる。

 

手前味噌だが、私はこのゲームが得意だ。

先に書いたでんでん虫の由来も数秒で考えたにしてはよくできていると思うし、

 ・ローソンは「労働者が損をしてでも消費者に得をさせる」という経営理念から名づけられた

 ・富士山は「富める武士しか踏破できない険しい山」という意味である

 ・警察のことをマッポと呼ぶのは、昔の警棒が松の棒でできていたからだ

などの我ながら秀逸だ。

私は日常生活においても嘘が習慣化しているため、この手のゲームでは負けなしである。

 

逆に、同僚のHくんはこのゲームが不得意だ。

毎度毎度、話を長引かせてオチを考えているのが見え見えであるし、むやみに話を長引かせるも何も思いつかず、オチがいつも「昔の地名から来ている」にしか着陸しない。

面白いことを言おうとするとき、修飾表現を使いすぎてグダグダになるという悪癖があるHくんらしい。

彼は話の引き算ができないのだ。

 

他だと、Mくんは

 ・でんでん虫はNTT(電電公社)の人が発見したことから名づけられた

 ・富士山は昔の人が麩を持参して上ったことから富士山と言われる

など、考える由来がオヤジギャグみたいになる傾向がある。

私たちはそろそろオヤジと言われてもおかしくない年齢に差し掛かってきたが、彼は一足先にオヤジの世界に足を踏み入れたのかもしれない。

Mくんは江戸っ子だから、きっと「べらんめぇ」調の頑固オヤジになるに違いない。

 

昼食に同席しても、会話に参加せずスマホばかりいじっているSくんはこのゲームへの参加をいつも拒否する。

嘘をつくのが嫌いなのかもしれない。

会話よりスマホを優先したいだけかもしれない。