「そろえる?そろえない?」って知ってますか?
※OPテーマ
こんにちは。
現役女子高生未亡人の突撃2類人猿と申します。
突然ですが皆さん、「そろえる?そろえない?」ってご存知ですか?
「そろえる?そろえない?」とは、散髪屋からの挑戦状です。
私は髪型に拘りがありません。
「髪が長くなると鬱陶しいから短くしておきたい」というラブコメに出てくる活発系ヒロイン(のちに髪を伸ばして女の子らしくなるエピソードあり)みたいなことしか考えておらず、生まれてこの方スポーツ刈り一本で通しています。
ただ、このご時世、実はスポーツ刈りの人間は喫煙者と同じくらい社会から締め出し食らってます。
近頃はエグザイルのバッタもんみたいな偽物のスポーツ刈りが巷にはびこっているので、本物のスポーツ刈りにしてくれる床屋さんがどんどん減っているんですよ。
幸い、引っ越す前は老いた星一徹みたいな頑固ジジイが経営する床屋を発見できたので、私は本物のスポーツ刈りを手に入れることができていましたが、最近引っ越してしまったのでまた新しい床屋を探さないといけません。
ですが、今回はアテがありました。
「男の散髪屋」という店名の、ジェンダー問題なんてどこ吹く風の旧時代的床屋が家の近くに存在したのです。
この店名だけでも期待できるのに、ダメ押しとばかりに店頭に170cmくらいあるバカでかいマジンガーZのフィギュアが置いてあります。
床屋の調度品としての場違い感が、ヤングアニマルに3月のライオンが載っているのと同レベル。
永井豪キャラばりのダイナミックモミアゲにされてしまう恐れはありますが、この武骨な店構えには期待せずにはいられません。
ダイナミックモミアゲ
しかし、いざ店に入ると、普通に女性客もいました。
「俺も漫画好きだよ」としゃべりかけてくれたから期待して好きな漫画を聞くと「ワンピース」と答えられた時と同じ、日陰者ハシゴを外される感覚を覚えて不安になります。
しかし、オヤジさんの第一声でそんな不安は払しょくされます。
「どれぐらい刈るの?」
「切る」とか「整える」とかすっ飛ばしての初手「刈る」!
このオヤジなら間違いなく本物のスポーツ刈りを私に授けてくれるでしょう。
必要最小限の言葉だけでオーダーを取るゴルゴ13みたいなプロフェッショナリズムも好感が持てます。
私は安心して席に着きました。
しかし、私に試練が訪れます。
オヤジが「そろえる?そろえない?」と聞いてきたのです。
そろえるって何を?
パチスロの話?
私は大いに困りました。
普通の感覚をお持ちの方なら「そろえるって何をですか?」って聞けばいいじゃんと思われるかもしれませんが、ハッキリ言ってそれは素人丸出しの意見。
こちとらわざわざ店員が話しかけてこなさそうな床屋に狙いを定めて行くほどのコミュ障。
店員さんに自分から話しかけるなんてできるわけがありません。
そういうわけで、私は思考の袋小路にはまってしまい、「あ…あ…」とフリーザに怯えるベジータような力のないうめき声をあげることしかできなかったのですが、オヤジは助け船を出してくれました。
「そろえずに自然にしとく?」と第二声を発してくれたのです。
なるほど。
そろえないのがデフォなんですね。
じゃあ私の答えも決まりました。
「ピシっとそろえてください。」
あえて少数派の選択をすることでこのオヤジにナメられないようにする、それが私の答えです。
オートマチックに全人類に対してマウントを取ろうとするという私の悪い癖が出てしまいました。
答えたあとすぐに後悔したのは言うまでもありません。
どうして私は「ピシっと」とかいう余計な形容詞をつけてしまったのでしょうか。
1秒前の自分が別人に思えます。
これってスタンド攻撃ですか?
しかし、いざ散発が終わったら、できばえはいつもの私の髪型と変わりない綺麗なスポーツ刈りでした。
どうやら、私は普段からそろえていたようです。
これからは自信をもって「そろえといてください!」とオーダーすることができます(結局何をそろえてるのかはわかってませんが)。
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