よくわかる腹筋崩壊太郎
- 仮面ライダー01に出てきた腹筋崩壊太郎という怪人が各所で話題ですね。
- 腹筋崩壊太郎、第一話の敵怪人として非常によくできたキャラクターだったと思います。世界観と「この作品はこういうテンションでやっていきますよ」という説明がこのキャラクターの存在だけで見事になされていました。
- 腹筋崩壊太郎は人間を笑わせるために作られたお笑いアンドロイドなのですが、プログラムを超えて自我を獲得し始めており、人間を笑わせることに幸せを感じはめていました。しかし、悪い奴ら(1話時点で詳細不明)に目をつけられてしまい、「人間を笑わせる」という使命を「人類を滅亡させる」という使命に強制的に書き換えられてしまい、暴走するというストーリーです。
- ここですごいのが、腹筋崩壊太郎はAIながらも「笑い」を理解していたところだと思います。「ロボットに感情は理解できるのか」というのはAIものSFではよく扱われるテーマですが、腹筋崩壊太郎が人々の笑いに幸せを感じていた時点で、この作品では「AIにも感情はある」というスタンスを取るということが明示されているわけです。
- さらに、人間と共生可能な感情を持ったロボットである太郎が怪人化してしまうという悲哀が1話の時点でバッチリ描かれていました。これは、「敵はロボットだから問答無用でぶっ壊してもいい」という価値観のもとで話を進行する気はない、という宣言だと捉えられます。
- この作品はこういうスタンスなんですよ、こういうノリで進めていきますよ、というのが腹筋崩壊太郎の扱い一つで明示されていたのは華麗というほかありませんでした。
- さらに言うと、怪人化する前の腹筋崩壊太郎の出番は1~2分程度しかなかったのもすごい。
- これだけの短時間で腹筋崩壊太郎というキャラクターを説明しきることができたのは、間違いなく演じているなかやまきんにくんの力によるところが大きいと思います。なかやまきんにくんの純朴な人柄と、太郎の純真さにオーバーラップするところがあるため、視聴者は太郎の描かれていない部分の人格も自然と想像することができるです。
- そのへんの秀逸さもありますが、「なかやまきんにくんが腹筋崩壊太郎っていう名前で腹筋を爆発させている」というシチュエーションそのもののパワフルさがやっぱりデカい。
- dアニメストアでギャラクシーエンジェルが配信されていてありがたい。見てるだけでIQ下がりそうなナンセンスギャグが最高です。私もこういうアホアホ時空で生きていたい。