ストロングスタイルの公園って知ってますか?
こんにちは。
現役女子高生の突撃類人猿と申します。
突然ですが皆さん、ストロングスタイルの公園ってご存知ですか?
ストロングスタイルの公園とは、私の家の近所にある公園です。
ストロングスタイルの公園には、遊具の類は一切ありません。
そのうえ、ボール遊びや花火も禁じられています。
公園そのものが備えているエンタメ性で一本勝負、素材の味を活かした塩味公園です。
あまりにも何もなさ過ぎるので当然子供は一切おらず、その一帯だけ荒涼としていて世界観がワイルドアームズみたいになっています。
完全に無意味な空間なので、RPGだったらクリア後ダンジョンの入り口とかになってないとおかしいレベルです。
しかし、そんな一切合切のエンタメが排除された公園にも、一つだけ設置されているものがあります。
それがコレです。
ベンチと、予算不足でスカスカな屋根です。
この屋根モドキで遊ぶくらいならストローが入ってた空袋で遊ぶほうが楽しいと思いますが、贅沢は言ってられません。
この近辺の子供にとっては、唯一の公園なのです。
絶対に家でゲームしたほうが楽しいですが、親から「外で遊びなさい!」攻撃を受けた結果、この地の果てに流れ着いてこないとも限りません。
この屋根で遊ぶ方法を考えましょう。
まず思いつくのは、屋根に登ったり、柱を掘り返すとかでしょうか。
しかし、その程度のチープな発想では、この公園を生き抜くことはできません。
公園の規定には「高い所に上るの禁止」「土を掘るの禁止」と書かれているのです。
この公園の主は、楽しいことは徹底的に潰す!という妄執に憑りつかれているとしか思えません。
このままでは、この公園から子供たちの笑顔が消えてしまいます。
そんなことを考えながら歩いていたら、この公園の裏には立派なお屋敷があることに気づきました。
その玄関にはこんな張り紙がされています。
「ボールが家にはいったばあい、インターホンをおすのはおやめください。
たいへんめいわくです。
公園でのボールあそびはきていできんしされておりますので、じゅんしゅをおねがいします。」
子供へのメッセージなので漢字を使わないという配慮がなされていますが、文体が完全に督促状のソレです。
家主のガチの怒りが伝わってくる名文だとは思いますが、これでは子供には理解できないでしょう。
っていうか子供たち、規定守ってないのかよ。
よく見たら地面もどうぶつの森で化石を集めまくったあとみたいに掘り返されまくってるし。
とんだハリキリボーイズたちです。
抑圧されることで、弾けてしまったのかもしれません。
張り紙オヤジ Vs. ハリキリボーイズ、戦いの火ぶたは切って落とされたばかりです。
この戦いは大人と子供の対立構造そのもの。
私にはこの戦いをウォッチする使命があるようです。
ボーイズが張り紙を剥がし、規定の看板を引っこ抜いて、真の自由を手にするその日まで、私は彼らを見届けようと思います。